心理学

社交不安障害(SAD)を理解して克服しよう(2)

前回は「社会不安障害(SAD)」についての概要を記しました。
http://wp.me/p8osVy-6j
今回は、その治療の一部についてです。

社交不安障害の治療

社交不安障害の治療については、「薬物療法」と「認知行動療法」の併用をすることで効果が高いとされています(もちろん、他の療法もありますが、ここでは2点の療法を紹介します)。

薬物療法
:恐怖の軽減・予期不安の軽減、回避行動の改善、不安や恐怖に伴う身体症状を改善していきます。

「抗不安薬 + 抗うつ薬・眠剤」

・抗不安薬はGABAによって脳全体の沈静化される(頓服として処方されることもある)。GABAは緊張状態や強ばりなどの興奮状態を治める作用がある。また副作用としては、沈静化がやや効きすぎてしまい眠くなることがある。
GABAは発芽米などに含まれており、最近ではチョコレートに配合されているものも販売されています。
・抗うつ薬はセロトニンを増やすとともに血中濃度を保つ役割があります。うつ病をはじめとして不安障害圏の疾患はセロトニンの欠乏が一因と考えられているため(モノアミン仮説)、抗うつ剤が効果を発揮することになります。
・眠剤は、十分な睡眠によってセロトニンを増やすことができ、眠れないときには依存性の少ない眠剤を使いながら睡眠改善をしていく必要もあります。

 

認知行動療法
:お薬と認知行動療法を併用することで、治療終了後の治療効果が長く持続されるといわれています。

認知行動療法とは、ものごとの見方や考え方(認知)を修正することで気分や行動を変化させるという治療法となります。

 

合理的な思考を探す

・自動思考を裏付ける根拠は何か?
現在の状況を冷静に見て、いま浮かんでいる自動思考はすべてが100%事実に沿っているか?

・他の見方はないか?
できる限り多くの違った考え方をして、それを裏付ける根拠を探してみる。

・実際にどんなことになってしまうというのか?
もし自分が恐れていることが起こったとして、それは実際のところどのくらい影響するのか。

・思考の「誤り」をおかしているのではないか?
思考のパターンによって自分の経験や起こった出来事を一方的にゆがめて捉えてしまっていないか。

 

次回は、特徴的な認知の歪みや、それを修正する具体的な方法の一部を紹介します。

 

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