心理学

社交不安障害(SAD)を理解して克服しよう(3)

社会不安障害についてのつづきです。
特徴的な認知(自動思考)の歪みに対して、その再構成としてコラム法を使用します。

社交不安障害(SAD)を理解して克服しよう(1)
http://wp.me/p8osVy-6j

社交不安障害(SAD)を理解して克服しよう(2)
http://wp.me/p8osVy-6m

 

特徴的な認知の歪み

認知の歪みとして、特徴的なものを9つ挙げていきます。

1. 根拠のない決めつけ
証拠が少ないままに思いつきを信じ込んでしまう。
(例)はじめて手がけた仕事が上手く進まないとき、「この仕事は上手くいかない」とすぐに決めつけてしまう。

2. 白黒思考
灰色(あいまいな状態)に耐えられず、ものごとを全て白か黒かという極端な考え方で割り切ろうとする。
(例)何でも完全にできていないと気になってしまう。

3. 部分的焦点づけ
自分が着目していることだけに目を向け、短絡的に結論づけること。
(例)ある人に苦手意識を持っていると、行き会ったときに挨拶をされなかったと言う事実に目が向いて、「やはり嫌われている」と考えてしまう。

4. 過大評価・過小評価
自分が関心のあることは拡大して捉え、反対に自分の考えや予想に会わない部分はことさら小さく見てしまう。
(例)対人交渉が下手だと思っているために、上手に交渉できなかったときのことばかりを思い出してしまい、上手くいったときのことは忘れてしまう。

5. べき思考
「こうするべきだ」「あのようにすべきではなかった」と過去のことをあれこれ思い出して悔やんだり、自分の行動を自分で制限して責めること。
(例)家事が十分にできない自分を見て「主婦なら家事を完璧にするべきだ」と責める

6. 極端な一般化
少数の事実を取り上げ、すべてのことが同様の結果になるだろうと結論づけてしまう。
(例)一つのあるプロジェクトが思ったように進まないときに、過去の失敗を思い出して「自分はいつも失敗する」と考えてしまう。

7. 自己関連づけ
何か悪いことがおきると、「自分のせいで起こった」と自分を責めてしまう。
(例)子供が学校で問題を起こして担任から注意を受けたときに、「すべて自分の育て方が悪かったんだ」と自分を責める。

8. 情緒的な理由づけ
そのときの自分の感情に基づいて、現実を判断してしまう。
(例)新しい仕事についたときに不安を感じると、「初めてで良くわからないから不安なんだ」とは思わずに、「こんなに不安なんだから、自分にはできないほど難しい仕事に違いない」と思い込んでしまう。

9. 自分で実現してしまう予言
自分で否定的予測を立てて自分の行動を制限してしまい、自分の行動を制限するので予想どおり失敗してしまう。その結果、否定的な予測をますます信じ込み、悪循環に陥ってしまう。
(例)人前で話そうとすると声が震えるのではないかと心配しているために、いざ実際に人前で話すことになると、失敗することばかり考えて意識過剰になり声が震えてしまい、結局「やはりこうなった」と考える。

 

コラム法(不安日記)

コラム法は、認知の歪みを修正する方法の一つとして活用されます。
きっかけとなる「状況」を具体的に書き、「感情」を0〜100で評価、そのとき浮かんだ考えやイメージの「自動思考」、自分を落ち着かせるような考えや自動思考への反論(単に自動思考を拒絶したり、無理なポジティブ思考ではなく)の「合理的な反応」、そう考えたときの「感情」を0〜100で再評価という流れとなります。

ここで「合理的な反応」に焦点を当てて考えていきたいと思います。
①状況         : 初めて参加のカルチャースクールで会話
②感情         : 5  (0〜100の間で)
③自動思考       : 何を話して良いか分からない。きっと変な人だと思われている
④合理的な反応     : みんな自分と同じく不安を抱えている、自分のことで精一杯で私のことを気にする余裕はない
⑤そう考えたときの感情 : 60 (0〜100の間で)

《合理的な反応の例》
・初対面の人ばかりなら緊張して当然
・「緊張してるんだね」ぐらいで変とは思わない
・良いように思われたいから不安、緊張している
・そんなに自分を見ている人はいない
・変な言動をとってもすぐに忘れられる

無理矢理ポジティブにする必要はない。自分に当てはめると、とたんに厳しくなる人がいます。友人に当てはめてみてみるのも良いかもしれません(自分に対しても他の人に話すように見てあげると良い)。

 

思い染む

「書く」ということは自分自身の思考を整理することに通じます。このことからコラム法は有効な手段の一つだと考えます。
そして「思考」を整理し変えることによって、より良い感情になるようアプローチするのは分かりやすいと思います。
注意する点として、認知行動療法は頭を使うので、頭の回らない中ではなかなか力を発揮することはできません。ゆえに、うつ症状やパニック発作などで頭の回らなくなっている場面では難しいので、ある程度回復してから行なうことが良いかもしれません。

社交不安障害については引き続き、また日をおいて記していきたいと思います。

 

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