新型コロナでの入院中は、どのような一日を送っていたのかを、基本的スケジュールに落とし込んでみた。
1時間前後の差はあるが、入院の10日間を通して書いていた記録から、おおよその平均時間帯をまとめてみた。
今回、改めて整理して見てみると結構な仕事量だ。
医療従事者が目の前の命に対して、どれだけ煩雑な仕事をしているかも見てわかる。
そしてこれは全部、医師と看護師が行ってくれている。
もちろん、私が体験した部分だけを抜き出しているだけだし、コロナ病棟から出てからの仕事もあるだろうことは想像できる。
命を直接扱っていて、急変もありうる中、「仕事だから」とひとことで済ますことはできない気持ちだ。
医療従事者への敬意の思いとともに、罹患したら大体こんな1日になるというイメージができれば良いと思っている。
また、自宅療養をすることになったならば、体温や酸素飽和度を測るタイミングなどの参考になればと思う。
入院中の生活一日スケジュール
6:30 起床(一気にカーテンが開けられる)
6:40 看護師回診(体調確認、体温、酸素飽和度、血圧)
6:45 血糖値計測(朝食前):指先に針を刺して血液を出し、機器で血糖値を測る
6:50 採血(10日間の入院中に3回)
8:00 朝食
8:30 服薬
9:15 看護師回診(体調確認、体温、酸素飽和度、血圧)
午前中 シャワー(10日間の入院中に2回)
午前中 医師回診
午前中 点滴
11:00 買い物の確認(インターホンで)
11:30 血糖値計測(昼食前)
11:45 インスリン注射
12:00 昼食
12:30 服薬
午後 医師回診
14:00 買い物の配布(11:00注文分)
15:00 買い物の確認(インターホンで。土・日・祝はなし)
16:30 買い物の配布(15:00注文分)
17:00 看護師回診(体調確認、体温、酸素飽和度、血圧)
17:30 血糖値計測(夕食前)
17:45 インスリン注射
18:00 夕食
18:30 服薬
20:30 服薬(寝る前の薬)
21:00 消灯
消灯後は2時間置きくらいで、睡眠時の看護師回診 (24時間酸素飽和度の機器チェックや酸素吸入、患者の状態などを確認していた)
私の場合、10日間でシャワーは2回だったが、この案内も医師・看護師で行っている。
その他、
・薬はそれぞれの患者で服薬のタイミングが違うので、時間帯を確認しながら薬を持っていき、後に飲んだかどうかの確認も行う
・部屋の床やトイレ、洗面所などの掃除も行なっていた
・トイレや洗面所、部屋前に設置されているアルコールジェル、アルコール綿やペーパータオルの消耗品などの補充
・酸素吸入が必須の患者に対しては、トイレや洗面所までの持ち歩き用酸素ボンベの残量などを確認
・トイレに行けない患者の尿瓶やおむつの交換、ひげ剃りや洗髪などのセットがワゴンに乗せられていたので、清潔に保つようなことも行なっている
・シャワー室の案内はもちろん、一人一人使い終わった後の清掃も行っている
・シャワー時の着替えと、退院前日の着替えと蒸しタオルの準備
・患者が退院した後、清掃や消毒とベッドの入れ替え
・カーテンの開け閉めまわり
・入院した部屋の向かいが看護師がいる部屋だったので、かなりの頻度で鳴るナースコールが聞こえていた
・新型コロナウイルス感染病棟への出入りには、2重扉や消毒、防護服への着替え
と、目についただけでもこんなところだ。
特に、防護服は下着を含めると4枚ほど重ね着をしているのではないかと推測。
マスクは2重、アイシールド、ゴーグルorメガネ、ヘアキャップ、手袋、手袋と袖の隙間をテープで固定、専用シューズなど完全防備だ。
比較的大きな病院で棟が何個もあり、自分が入院していた1階部分だけが新型コロナ病棟なのかは分かりかねるが、約20名ほどの患者が入院していたようだった。
そのよう中で、看護師同士がミスや抜けのないように声をかけ合っている場面が聞けるなど、今回の入院は普段あまり見ることのない医療従事者の働きぶりがよく分かる体験だった。
トイレは衛生管理が徹底的
トイレは患者共同施設となるため、衛生管理が徹底的だった。
①トイレに入る前に自動機械で手をアルコールジェル消毒
②個室は入ったら、備え付けのアルコールタオルで便座のふた、洗浄ボタン、裏返して便座を拭いてゴミ箱に捨てる
③用を足したらもう一枚アルコールタオルを使い、一通り②と同じ箇所を拭く
④ドアの取っ手の内側と外側を拭いてゴミ箱に捨てる。
⑤手洗い後はペーパータオルで水はねなどをしっかり拭き取る
⑥トイレから出たら自動機械で手を手をアルコールジェル消毒
ちなみに、男性の小便器は跳ね返りで感染が広まらないように使用禁止にされている。
しかし、病院側が張り紙やアルコールタオルやアルコールジェルを設置しても、患者側がしっかりやらなければ意味がない。
どうも手洗い時間の少ない人が多いのが気になる(指先を水で濡らすくらいしかの音しか聞こえないことが多かった)。
本当に勘弁して欲しい。大人なのだから、しっかり手は洗って欲しいものだ。
そんな訳で、再感染が怖いので、トイレや洗面所にいった後は、ペーパータオルにアルコールジェル(入口に設置されている)をつけて、病室のドアノブを消毒しまくった。
自分の身は自分で守る必要がある。
病室でできる口腔ケア
洗面所は、部屋から出歩ける感染者が集まるところだ。そして、咳をしている患者も多いので、治ってきてもまた感染というのも嫌だ。
そもそも体調も良くないし、病室外に出歩く回数は減らしたいので、口腔ケアは基本的に病室内でできるようにした。
洗面所へは夜の消灯前後など、誰もいないような時間帯に思いっきり行くようにした。
洗面所に行かなくても少量の水で口腔ケアができるようになった。
初めは、看護師さんが「プラスチックコップに少々の水」+「吐き出すプラスチックの器」を「うがいセットです」と持ってきてくれる。
看護師さんもいろいろな人が対応してくれるので、持ってくるのを忘れてしまうことも当然のことのようにある。
そこで、食事のときに出てくる「蓋つきお茶のカップ」にティッシュを詰めて、リステリントータルケア(「液体歯磨」という表示が重要だと思っている)で口をゆすいでカップに吐き出す。
その後、歯ブラシで歯を磨く。空になったペットボトルなど(自分の場合はタンブラー)に入れた水で(うがい専用にしてしまう)、少々の水で口をゆすぐことができる。
歯ブラシもその少量の水で洗い流してティッシュで拭いて乾燥させる。
慣れると、思った以上に上手くできるようになる。
紙コップの中にティッシュを詰め、吐き出した水などを吸収させる。
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