熱量の塊に豹変する舞台役者という生き物
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変容を起こすカウンセリング はる です。
「7月に舞台に立ちます!」
高校時代の演劇部の先輩から、観劇の案内がきた。
つかこうへい原作の「広島に原爆を落とす日」という舞台だ。
つかこうへいは馴染みがなく、脚本を少々読んだが、自分の肌に合わない気がずっとしていた。
今回は、タイトルが衝撃的だったこともあり、前のめりで「観てみたい!」と思い、先輩に速攻で返信した。
しかも、このタイトルは、「広島に原爆が落ちた日」ではなく、「広島に原爆を落とす日」なのだ。
不思議で仕方がない。
が、残念ながら、今の私は作品の内容を語ることはしないと決めている。
特に、今回の作品は、言いたいことの本質は分かるが、タイトルが重すぎるほど手におえるとは思えない。
「広島に原爆を落とす日」の垂れ幕写真を見て、期待していた方には申し訳ないが、内容は小説などが発行されているようなので、そちらで勝手に読んでほしい。
生の作品である「舞台」を文章で表現しても、表現しきれないし、質が下がってしまうので、礼を欠いてしまうと思っている。
「うん、この表現、かっこいい」
いや、実のところ、舞台役者という生き物について語った方が、自分の性に合っている。
「テーマよりも舞台役者という生き物を観ているのが大好きなんだよ」
こちらの方が本音に違いない。
2時間ほどの舞台のセリフを憶え、演技という表現に苦悩し続け、しかもクセのある人間が多い。
自分を含め、こんな面倒なことをしてまでも表現したいのは何故なのか。
それは、一つしかない自分という時間だけではなく、様々なキャラクターを演じるということで、複数の人生をたくさん経験したいという欲が深い生き物なのかもしれない。
だからこそ、観るのも演るのも興味が尽きることがないのだろう。
舞台に立った役者は、言うなれば「火山」のようなものだ。
火山は、その地中に溜まったエネルギーが高ければ高いほど、噴煙が高く高く上がる。
役者も様々な表現の訓練を経て、稽古を重ねたのちに舞台へ立てば、その熱量は高まり噴煙を上げる。
役者という生き物は、自分が別の何かになって一つの作品を表現したいという欲求によって生きている人が多いように感じる。
舞台に立ち、作品を表現して観客に届けるには、それ相応の発声訓練や肉体の訓練は欠かせない。
声が通らなければ、滑舌が悪ければセリフが死ぬ。
非日常をリアルに表現するには、内面を表現できなければ舞台自体も死ぬ。
観ている方は、白けてしまい、欠点が気になり作品に集中できなくなってしまう。
録画ではないライブで表現する、常に失敗するリスクを背負いながら表現するというマゾ的要素があるのかもしれない。
「ゾクゾクしますよね」
以前、一緒にやっていた役者仲間の口から発せられた言葉だ。
一種の変態的感覚が、たまらないという人もいるのは確かだ。
私は、この感覚は……わかる。
舞台役者ではなく、映像系の役者はどうなのだろうかと考える。
テレビドラマ、映画などである。
映像でも、演技で表現するということに関しては舞台と同じではあるが、何かが違う。
舞台は、そこに生の人間がいるが、映像はスクリーンや画面、撮影のレンズを通しての違いというのもある。
リアル度は映像の方が上だろう。
その映像に集中することができれば、現実世界のように入り込めることができる。
ありそうな感じの言い方、ありそうな感じのセリフ、ありそうな感じの動き。
舞台に慣れてしまうと、そのリアルな演技が当たり前すぎに見え、物足りなくなってしまうのだろうか。
自分の見方が、その答えのヒントになるのかもしれない。
役者を長年やってきたが、観客として舞台を見るのはすごく苦手だ。
舞台の世界に集中すると声が出そうになる。
映像の方がリアルなのに、例えば映画を観ていても声が出そうになるということはない。
この、「声が出そう」というのは何かと言うと、今聞いたセリフが無意識に口から出そうになるのだ。
実はこれ、演技が未熟な人たちが出演している舞台では起こらない。
個々の個性が際立ち、演技が上手い人たちが集まったり、ベテランが多い舞台で起こることが多い。
舞台上で熱を帯びながら叫び、身体全体で表現されればされるほど「声が出そう」になる。
舞台役者という生き物は、舞台の上に立つと豹変する。
普段は驚くほど静かな役者も多い。
リアルではないリアルが、生の舞台で役者という生き物を通し、目の前に熱量として出される。
その時、自分の感情が、舞台役者と一体となって引っ張られるのだ。
知ってか知らずか、役者と観客が同じ空間の中にいることで、感情が一体になることを、舞台役者は肌で感じているから、表現者として続けていられる。
面倒なことをしてまでも表現したいのは何故なのか?
そんな答えはどこにも見つからないのかもしれない。
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