幼いころから、人間関係が絡むと生きづらさを感じている方です。
はっきり言ってヘタクソです。
私は選択理論心理学でいう、「愛・所属の欲求が低い」のです。
だからと言って人間関係がヘタということではなく、「愛・所属の欲求が高い人」と接すると上手くいかないことが多いと感じます。
こうして、選択理論心理学で考えるクセがついていますが、今回は人間関係をスキーマ療法の方から見ていきたい。
スキーマ療法を知ってみる
今回読んだ本は
著書名:心の体質改善「スキーマ療法」自習ガイド
著者名:伊藤絵美
スキーマ療法を提唱しているのは、アメリカの心理学者であるジェフリー・E・ヤング博士。
人の価値観というのは、みんな違います。
スキーマ療法のスキーマ(schema)の意味は、認知の元となる「人それぞれの価値観」のこと。
それを、見える化して療法として活用しようということですね。
(選択理論心理学で言う、5つの基本的欲求と、それが1つでも満たされた具体的な願っている世界の「上質世界」の部分)
例えば、仕事で上司から注意されてしまった時に、
「こんなことで注意されるなんて」:欠陥、恥スキーマ
「何をやっても失敗するんだよな」:失敗スキーマ
「すぐ挽回して良い評価を得たい」:「ほめられたい」「評価されたい」スキーマ
「どうせやっても上手くいかない」;否定・悲観スキーマ
というように、スキーマ(価値観)をもとにして
- スキーマ(価値観):私がやることはうまくいかないことばかり
- 自動思考:やり直しても絶対失敗する
- 身体反応:動機が激しくなり、顔が紅潮し汗が出る
- 行動:苦手な仕事を後回しにして、別の仕事に取りかかる
となります。
5つの「中核的感情欲求」
ジェフリー・E・ヤング博士は、
人は誰でも5つのエリアの「中核的感情欲求(内なる子どものニーズ)」を持っている
と言っている。
「中核的感情欲求(内なる子どものニーズ)」
- 愛してもらいたい、守ってもらいたい、理解してもらいたい
- 有能な人間になりたい、いろいろなことが上手くできるようになりたい
- 自分の感情や思いを自由に表現したい、自分の意志を大切にしたい
- 自由にのびのびと動きたい、楽しく遊びたい、生き生きと楽しみたい
- 自律性のある人間になりたい。ある程度自分をコントロールできるようになりたい
上記のそれぞれ感情欲求を満たされないと「早期不適応スキーマ」になる。
選択理論心理学の5つの基本的欲求に近いところもありますね。
「生存の欲求」だけがない感じかな。
相手が、どの中核的感情を求めているのかが分かれば、どのようにしてあげればいいのかがわかると思います。
また、自分が今、どの欲求があるのかを知るようにすれば、セルフコントロールとしても使えますね。
早期不適応的スキーマの一覧
早期不適応的スキーマの「早期」というのは、幼い頃ということで付いています。
早期不適応的スキーマの一覧として、以下のようにまとめられています。
第1領域のスキーマ「ひとりぼっち・つながれない」
1 見捨てられスキーマ
2 不信・虐待スキーマ
3 「愛されない」「わかってもらえない」スキーマ
4 欠陥・恥スキーマ
5 孤立スキーマ第2領域のスキーマ「自信がない・ひとりじゃできない」
6 無能・依存スキーマ
7 「この世は何があるかわからないし、自分はいとも簡単にやられてしまう」スキーマ
8 巻きこまれスキーマ
9 失敗スキーマ第3領域のスキーマ「他者優先」
10 服従スキーマ
11 自己犠牲スキーマ
12「ほめられたい」「評価されたい」スキーマ第4領域のスキーマ「がんじがらめ」
13 否定・悲観スキーマ
14 感情抑制スキーマ
15 完ぺき主義スキーマ
16 罰スキーマ第5領域スキーマ「野放し」
17 「オレ様・女王様」スキーマ
18 「自分をコントロールできない」スキーマ
第1〜5領域の中に18個も分かれてる。
本の中では、さらに丁寧に一つひとつ説明がありますが、ここでは割愛させていただきます。
実例に対して、どのスキーマに当てはまるかは慣れて来ないと判断難しいかな。
そんな中でも、何個かは当てはまるだろうなと思いつつ読んでいました。
ところが・・・、
「げっ!全部あるやん!!」(恥ずかしながら・・・)
これって、「ある・なし」というよりも「強・弱」というところですね。
そして、その時々によってこの「強・弱」は変わっていく。
完全になくなると、とても楽になると思うんだけど、なくなるということはないのかなと。
でも、もしかしたらなくなるかもしれないけど、「弱くしていく」ということに焦点を置いたほうが良さそう。
そうしないと、スキーマが発生するたびに「あ、後戻りした・・・」って思っちゃう。
それよりも、「あ、強くなってきたな。弱くするにはどうしたら良いかな」と考えたほうが、傷は浅く、冷静に見られそうですね。
モードワークで対処していく(5つのモード)
18のスキーマで、「強いな」(書籍の中では「グッとくる」という表現をしていました)と思われる部分。
何が起きているかを理解するために、分かりやすく5つのモード(さらに擬人化)にしています。
5つのモード
- 傷ついた子どもモード
(要約:「内なる子ども」が悲しくなったり、怒ったりと不安になる状態)- 傷つける大人モード
(要約:傷ついた子どもに対して叱責する心の声)- いただけない対処モード
(要約:傷ついた子どもが耐えられなくなると出現。怒ったり、お酒に逃げるなど不健全な欲求で満たす)- ヘルシーな大人モード
(要約:健康で自立した大人の部分。やっかいなモードが発動しても傷つかずに対応できる)- 幸せな子どもモード
(要約:夢中になって楽しんで、のびのびと自由に遊ぶ「内なる子ども」)
上記は引用ですが、分かりやすくするために「マイナス要素は赤色」「プラス要素は青色」にしてみました。
(カッコ部分は要約です)
ちょっと、「ヘルシーな大人」ってなんだろう???
「健全に成長した大人」とでもいう感じかな。
とにもかくにも「ヘルシーな大人モード」を育てていくこと。
ヘルシーな大人モードとは
- 絶対的にあなたを守ってくれる
- 絶対的にあなたを理解してくれる
- あなたを正しい方向に導いてくれる
- あなたを無条件に愛してくれる
- あなたの幸せを心から願ってくれる
- 自立した一人の人間として認めてくれる
- あなたの思いに心から共感してくれる
「ヘルシーな大人モード」の役割として
- 「傷ついた子どもモード」が出てきたら、優しく癒すように声をかけてあげる
- 「傷つける大人モード」が出てきたら、立ちはだかって傷ついた子どもを守る
- 「いただけない対処モード」になったら、救出してあげる
- 「幸せな子どもモード」が出てきたら、あたたかく見守ってあげる
ヘルシーな大人さん、正義の味方!まさにヒーロー!
と、他人事のように言っていますが、自分自身で育てていくのが大切。
とにかく優しい役割。
まだまだ諦めずに、このような人間になりたいですね。
新しい考えを作る「ハッピー・スキーマ」
「ヘルシーな大人モード」を育てることにより不適応的スキーマを弱体化させる。
そして、認知行動療法でいう「適応的思考」(例えば、親しい友達に癒される声がけをひてもらえるとしたら)に変換していく。
この変換のことを
ハッピー・スキーマ
と言っているようです。
この「ハッピー・スキーマ」を、自分の思うがままどんどん書いていく。
書くという行為は、自分自身を冷静に客観視できるので、実際に手を動かしていくということが大切ですね。
思ったこと
この本のように、不適応的スキーマを確認して、ハッピー・スキーマに転換していくのも良いと思います。
スキーマ療法でより良い考えを作っていくには時間がかかります。
難しいと思ったときにはまず先に、
「とにかく、ハッピー・スキーマを出してみる」
「出ない場合は、身近な人でハッピーな人を参考にして、そのハッピーな考え方を出してみる」
というのも近道の一つなのかもしれません。
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