血だらけになっている小さな命を放っておけるか!
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変容を起こすカウンセリング はる です。
「肉球がパックリ割れています」
「後ろ足の爪1本が根元から取れてます」
「顔にも、明らかに爪あとの傷がありますので、猫同士のケンカでしょうね」
その男の子は、うちの庭をパトロールの通り道にしているらしい。
よく見かける子だ。
午前中の涼しいうちに見かけたその子は、顔は傷だらけで、血がにじんでいた。
左前脚と右後ろ脚は引きずっている。
眼光は兵士さながら、鋭いが、同時に疲労しているようにも見える。
とても痛々しくて、いつもとは違った歩き方に命の危機を感じてしまった。
数ヶ月前に、車を運転していたら、道路の真ん中を、トラ模様の猫が歩いていた。
その背中には、黒っぽい毛色の中に、一本の白い筋が見えていた。
「え? 背中がパックリ行ってる?」
恐らく、この傷も猫同士のケンカでできたような傷だったのだろう。
傷の絶えない子だ。
うちには6匹の猫がいるが、4匹は子猫を連れてうちの庭にきた親子猫だ。
2匹は、やはり何かしらの負傷(ケンカだけではなく、肛門線の破裂など)をして、見ただけでもかわいそうになった子たちである。
病院へ連れていき、不妊手術を行い、そのまま一緒に暮らすことにした。
すでに6匹もいると、もう受け入れるには限界だ。
しかし、せっかくこの世に生まれてきた命を放置して、命の火を消してしまうと思うとゾッとする。
「捕獲して病院へ連れて行く!」
全く迷いはなかった。
人に慣れていない野良猫は、洗濯ネットなどに入ってもらって病院に連れて行く必要がある。
ネットに入ってくれていれば、その上から採血や注射ができるし、逃げられないようにもできる。
タオルを敷き詰めたキャリーケースの中に入れる。
白いタオルやネットに、赤い血がついているのが見える。
キャリーケースの中から、ネット越しにこちらをジッと見つめている。
何を思っているのだろうか。
病院に着いてからは、口を開いて舌を出しながら、呼吸が荒々しく、激しくなっていた。
相当恐ろしいのだろう。
「大丈夫だよ」と、何回も声をかける。
病院に着き、名前を呼ばれて診察室の中へ入った。
先生は女医さんで、以前から思ってはいるが、どんなことが起きても動じない。
暴れても、逃げ回っても、手に爪を立てられてもだ。
冷静に、首にカラーをかけて、一瞬にして恐れおののいて爪を飛ばしてくる猫を、赤子の手をひねるような感じでサラリとかわす。
いつ見ても惚れ惚れする腕前だ。
検査を含めて、傷の状態を見ながら処置をしてくれるというので、一旦預けて電話を待った。
夕方になり、電話がかかってきて検査結果を聞きに行った。
「肉球がパックリ割れています」
「後ろ足の爪1本が根元から取れてます」
「顔にも、明らかに爪あとの傷がありますので、猫同士のケンカでしょうね」
消毒や抗生剤を注射してもらい、治療を施してくれた。
呼吸が激しかったので、争ったときに傷が肺まで達していないか心配だったが、聴診器で雑音は聞かれなかったので、レントゲンまでは必要ないだろうとのことだった。
血液検査の数値は問題なかったが、簡単にいうと「猫エイズ」は陽性だった。
人には感染しないが、猫同士は血液や体液で感染ることがある。
元々持っていたのか、争いによって感染してしまったのかは分からない。
発祥はしていないので、キャリアという状態だ。
だが、猫同士で感染してしまうので、うちでの保護は難しい。
野良猫ではあるが、普通に受診すれば費用はかかる。
「お預かりして、終わったら電話しますね」
とだけ言われ、内訳については全く考えていなかった。
けっこう費用がかかったので明細を見てみたら「半日入院」と記されていた。
いつも庭を横切っている小さな顔なじみの命が守れるならば、いくらかかっても良いと思っていた。
小さな命を含め、みんな幸せになると良いなと思わずにはいられない。
自宅に戻り、庭に放した後、一目散にダッシュして逃げていった。
うちの敷地から出る前にこちらを振り向き、眺めていた。
何を思っていたのかは分からない。
突然捕獲され、ネットとキャリーケースに入れられ、車で搬送。
知らない場所で、体をいじられ、とても怖かったと思う。
そのまま敷地を後にして行ったが、できることなら、また元気な姿を見せて欲しいと願っている。
保護した場合、飼えなければ、どのような保護の仕方ができるのか、保護団体を検索したが、有益な情報はなかった。
保健所がやっている動物愛護ふれあいセンターは、まだ殺処分の危険性があるような文章が見られた。
民間の保護団体は、毎日のように「連れて行くので保護してくれないか」という問い合わせが来るため、子猫などでない限り、引き取ることはない。
里親に名乗り出るならば、住所を教える。
それ以外は、連れ込みや、建物前なのに捨てられることも十二分に考えられるので、教えることはできないようだ。
東京都の千代田区や台東区では、犬猫の殺処分はゼロと言われている。
これらのような区をお手本にしながら、同じような取り組みをぜひお願いしたいと考えてしまう。
それぞれの保健所の苦労は伝わってくるし、民間の動物保護団体は、ボランティアや寄付、活動する時間は本業の合間で行うなどが多いと聞く。
幸せになる手を色々と探し、獣医の先生にも尋ねてみたが、現実はとてもとても難しかった。
人間が幅を利かせている世の中で、小さい命をどのように救い、守れるのかを、日々考えていたいと思う。
野良猫は、野良の世界があるから、病院になど無責任という方もいるかもしれない。
責任云々ということではなく、血だらけになっている小さな命を目の当たりにしたとき、放ってはおけない。
少なくとも私は。
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