その他

原点に立ちもどる(その1:歌舞伎)

 

幼いころ、親に連れられ歌舞伎や松竹歌劇団など観に行った。幼少から小学校中学年のころだったと記憶している。

題材は忘れてしまったが、歌舞伎については2つ印象に残ったものがある。

印象に残った女形

1つは女形だ。舞台の上手側に畳敷きで作られている小屋の窓から、日本髪できらびやかな和服姿の女性が座っており、上半身だけがのぞいている。日本髪は島田髷だったような気がするが、定かではない。

「あの人、男の人だよ」

舞台の照明から照らされるだけのうす暗い客席で、母が右側から私の耳元でささやく。

「え?」

驚いた。と、あらためて舞台に目をやった。その艶姿はどう見ても女性としか見えない。その人とは誰あろう、坂東玉三郎(五代目)だった。

歌舞伎の世界を全く知らなかった幼子だったので、最後まで不思議な世界につつまれているようだった。

印象に残った芝居中のかけ声

印象に残ったもう1つは「芝居中のかけ声」だ。客席後方から、

「◯◯◯!!」

と突然かけ声が。
少したってから、別の後方から、

「◯◯◯!!」

当時は分からなかったが、おそらく坂東玉三郎に対してだったので、

「大和屋!!」

のかけ声だったのだろう。

「君も言ってみな」

舞台の照明から照らされるだけのうす暗い客席で、父が左側から私の耳元でささやく。

「え?」

驚いた。むり。

というか、右から左から両親の好奇なささやき。母の方は、分からないだろうと気を使って教えてくれたのだが、父は明らかに面白がっていたようだった。

歌舞伎のかけ声については、実は素人が声かけをするのは大変キケン。それは、芝居は「間」が命だからだ。この「間」と芝居の中にとけ込んだ腹の底から「気合」の入った「声」が必要なのだ。

そのような物なので、素人どころか子供なんて以てのほか。役者のため、観客のためにも気軽に声かけをするような子供でなく良かったと心の底から思う。

思い染む

歌舞伎は今でも思い出深く、そして永遠の憧れである。
歌舞伎座は2013年に新しく建て替えられてからは一度も行っていないので、早く足を運んでみたい。

 

マインドフルネス・グループが始まりました前のページ

原点に立ちもどる(その2:松竹歌劇団)次のページ

関連記事

  1. その他

    WordPressのアーカイブ設置がわかった

    他の方のサイトを見て、設置したいと思っていたアーカイブブログに関し…

  2. その他

    【告知】11月23日CITTA手帳オフ会に参加します!

    2018年の今年から、仲間のおススメで「CITTA(チッタ)手帳」を使…

  3. その他

    日本人小児科医が活躍する姿「カンボジアに医療の灯火を」を観て奮起する

    日本人小児科医が活躍する姿「カンボジアに医療の灯火を」を観て奮起する…

  4. その他

    ついに新型コロナ感染しました(発症から自宅療養)

    「陽性です」2021年8月22日(日)の夜に保健所から電話が入…

  5. その他

    何に手をつけて良いか分からないときには優先順位なんてつけないという選択

    何に手をつけて良いか分からないときには優先順位なんてつけないという選択…

  6. その他

    ピアニスト細田真子さん「10のプレリュード」に触れた日

    CITTA手帳ユーザーであり、「CITTA手帳講座」でご一緒したピアニ…

アーカイブ

2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

カテゴリー

  1. いきもの

    知らないままで終わったらもったいない!ちよだ猫まつり2019
  2. 身体

    はじめて鍼治療を体験しました
  3. 心理学

    人間関係を破壊する「致命的な7つの習慣」【選択理論心理学】
  4. いきもの

    ちよだ猫まつり2019が始まり、猫好き天国へ!
  5. その他

    音楽朗読劇「クリスマス・キャロル」で平成最後のクリスマスを満喫
PAGE TOP