前回まで、「ついに新型コロナ感染しました(発症から自宅療養まで)」「ついに新型コロナ感染しました(入院中の経過)」「ついに新型コロナ感染しました(入院中の経過)」を書いた。
プライバシーなどの観点からも、院内の撮影や録音とSNSなどの投稿は厳禁なので、具体的な病院名や場所などは記さない。 状況などだけについて書いていく。
退院前日
【19日目】9月5日(日)体温36.3度、酸素飽和度97%、血糖値137→もう2回目からは計測中止
飲み薬。朝には36.5度だった体温も、ようやく夜になって普段の平熱(36.2度)に戻ってきた。
定時になると、看護師さんが「体のだるさ、咳、息苦しさ、ご飯は食べられているか、匂い、味、お通じ、全部大丈夫。そのほか何か気になるところとかありますか?」とチェックをしてくれる。
まだ咳だけが残っていることと、筋力低下でトイレの往復で息切れするくらいなので、もう問題はないだろう。
午前中の医師の回診では
血糖値も200超えなくなってきているし、指に針を刺して測るのも今日の2回目からはやめる。薬は最後までしっかり入れていきます。 初め話していたときにかすれていた声も普通になってきている。体力も落ちてきているので、少しずつ日常に戻していければと思います。
と、時間も短く話が終わった。 元々の退院は9月7日(火)で、前日に体温が高くなければ血液検査もしなくて良いのではと言われていた。退院が9月6日(月)と一日早まったが、現状では問題はなくなっているという診察だった。 咳も昨日よりは減少している。ぜんそくで使用する「シムビコート(ドライパウダー吸入式喘息・COPD治療配合剤)」も丹念に併用していたというのもあるのだと思う。
新たな書類として、「新型コロナウイルス退院基準を満たした患者様へ」にサインし、ビニール製チャック袋に入れられて渡される。 左上にペンで書かれた日時だが、感染病棟内でのものなので封をした日時から72時間(9月5日18時〜9月8日18時)は袋から出してはいけないということだ。
(※医療機関や保健所、医療従事者などの特定がされないように書類画像は加工した)
退院の前日ということで、体を拭く蒸しタオルをいただき、寝巻き、下着、洗顔用タオルの交換があった。 定期的に床の掃除もしてくれるが、今日は一番体調が良いので、備え付けの粘着コロコロで身の回りをキレイにした。 夕方には誰もいないのを見計らって、洗面所で洗髪とひげ剃りをすませてスッキリさせた。
この日になってようやく心に余裕が出てきたようだ。病室の窓から見える樹々に咲いている小さな花には、蝶やハチドリたちが集まってきているのが見えた。また一匹のツクツクボウシの鳴き声が聞こえるのをゆっくりと聞くことができた。
ついに新型コロナ感染病棟からの退院!
【20日目】9月6日(月)体温36.7度、酸素飽和度97%、血糖値計測なし
飲み薬(入院最後)。最終の体温は36.7度となり(6:40の時点では36.0度と変動はあるが)、酸素飽和度も問題ない状態になった。咳はまだ少々残っているが、昨日よりも良くなっている実感がある。
ついに退院だが、退院予定は10時で、9:30〜10:00ごろに来てくれてば良いということだった。
朝起きてから、入院して初めて手の震えが止まらない。朝食後にしばらくして止まったので血糖値の低下だったのだろうか。
落ち着かないので、荷物の整理をはじめながらコンパクトにしていく。感染病棟内から外に出るため、できるだけその場で捨てられるように。
私が退院した後は、すぐに別の患者が入る。ベッドの入れ替えは大仕事の中の一つだ。ベッドなどの器物入れ替え、清掃、消毒が入るが、なるべく時間を短くしたいと思う。
次の患者が安全に入ることができるようにアルコール配合のウェットティッシュで身の回りを拭きあげた。
こうしていると、医療従事者の方々が、どれだけ患者の身の安全と、自らの安全を確保しながら、膨大な仕事量をになっているのかということが、ほんの少しだが体感できているのかもしれないという気持ちが湧いてくる。
8:00に最後の朝食をいただき、その後は最後の服薬と体温、酸素飽和度、血圧、体調のチェックを行った。
9:00 現時点で2つに荷物を分ける。「家に着いたら開けてすぐ使うもの」と「すぐ使わず72時間開封せずに保管しておくもの」だ。
看護師さんに「家に着いたら開けてすぐ使うもの」をアルコール綿で拭いてもらいパウチ袋へ入れてもらう(スマホとPCは直前で大丈夫)。「すぐに使わず72時間封せずに保管しておくもの」は、そのまま入れてビニール袋を閉じた(「9月6日10時〜9月9日10時」までは、感染病棟内でのものなので72時間は袋から出してはいけない)。
時間が空き、アルコールで拭き掃除、粘着コロコロでホコリとり、アルコールで拭き掃除、ティッシュで拭き取り。整理整頓。ベッドメイキング。
体をアルコール綿で拭いたり、サンダルの消毒(表、裏)をしたりした。
9:35 家族のお迎え来る。看護師さんへ来たことを伝え、ギリギリ最後まで使用していたスマホ、PC、ワイアレスヘッドホンをアルコール綿で拭いてもらいパウチ袋へ入れてもらう。
病室から出て、感染症病棟の出入り口パーテーション部分まで歩いていく。
全身と持ち物のアルコール消毒(着ている寝巻き着・履いているサンダルとその底・荷物が入ったパウチ袋)。
ここで感染病棟の看護師さんと別れ、通常病棟の看護師さんに担当が変わり、着替え部屋に入る。
着替え部屋で8月27日に預けていたスーツケースと帰宅時の衣類(ビニール袋に入れられ72時間放置されたもの)を受け取り、着替える。
脱衣した寝巻きは「脱衣箱(更にビニール袋の中)」へ入れフタをする。着替えを済んだことを看護師さんにお伝えし、病棟裏口より外に出て送り出したいただいた。
10:55 外へ出る(入院中2回のシャワー以外での外は初)
天パも相変わらず健在だ。
2021年8月17日の発症から数えて、20日間の新型コロナウイルス感染がようやく終わった。
帰宅後に気づいた体の変化
体の変化を注意深く見ていたが、気になったところは以下の通りだ。
退院直後の体の変化
・筋力の低下により腕と脚が細くなった。自宅2階へ昇る途中で太ももがつる
・足のこむら返り、ひざ下のつり
・約5kg体重が減った(筋肉が減ったのが見てわかる。余計な脂肪が減ってないのが、一目で見てわかるのも悲しい)
・体温が安定しない(安定平熱36.2度なのだが、36.0度〜36.7度と安定しない)
・すぐ息切れする
発症から20日間、自宅療養と入院で、ほとんど歩くこともままならない状態だったので、筋肉が衰える。
父が癌のステージ4の終末期に入院していたときも筋肉の落ち方ととても似ていて(父と私は体型が似ている)、とても恐ろしく思っている。
がっしりしていた「お尻」「太もも」「ふくらはぎ」が、細っそりしてしてしまった。少しずつリハビリが必要となっている。
ここまで書いた理由
正直、自分自身が新型コロナウイルスに感染したと公言してしまったらどうなるのか? という不安はあった。
大きく言うと、以下の3点が問題だと考え、ブログに書くことが必要ではないかと思った。
・現在のコロナ禍での医療現場が逼迫している状態が伝わっていない
・医療従事者自身が病院内でのことを発信することは禁止されていることが多く、世の中に理解されにくい
・自分が新型コロナウイルスに罹患したら、どうしたら良いか具体的に分からない
そして、今回、どうしてここまで詳細に書いたかというと、ただ単なる事実としてだが、どれだけ病院が、どれだけ医療従事者の方々が、通常の入院業務以上のことを、注意深く厳重に管理してくれているかということをお伝えしたかったというのもあった。
最前線の現場では、どのようなことを行っているのかが分からない人が、コロナ関連の仕事をしている医療従事者の友人が誹謗中傷をされてたという投稿を目にし胸が痛んだというのもある。
病院では、プライバシーはもちろん、医療従事者自身を守る責務もあるため、基本的には録音・撮影・SNS・ブログなどへのアップは禁止だ。
あくまでもこれは私一個人の新型コロナウイルス感染体験記ということ。
病院などのプライバシーに注意しつつ、できるだけ医師とのやりとりを含めた自分の病状の変化や身の回りのことを、出せるものは淡々と事実だけを書くようにした。
そうすることで、将来コロナに罹患してしまったときの不安払拭や、早めにどう対応した方が良いのかの判断の一助としてもらいたいという気持ちで書いた。
救われた命をどう使おうかと考えた一つの行動だと思っていただければありがたい。
次回以降は、「入院生活での様々なこと」などの詳細をプライバシーに細心の注意を払いないがら記していきたい。
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